ゲームマーケティングを一変させるAmazonプライム的サブスクリプション課金の正体

ゲーム業界

サブスクは継続率をあげ、DAUを維持し、課金率をあげ、売上をあげる要注目ツール

 
こんばんは
 
ゲームマーケターの「はまねこ」です
 
今回はかなり先鋭的なゲームマーケティングの話です。
 
まだここまで考えている人は少ないけど
 
いまから注目しておくと
 
1年後、2年後、大きなアドバンテージなるかも!?
 
ゲームアプリ運営、マーケティング&プロモーションの
 
次のトレンドになりそうなテーマ
 
「ゲームアプリにおけるサブスクリプション課金」
 
についてお話ししましょう。
 

サブスクリプションモデルとは?

 
一般的なサブスクリプションモデルというと
 
・Amazonプライム会員
 
が超有名ですね
 
ゲームの世界なら
 
・PlayStation Plus
 
・ニンテンドースイッチオンライン
 
などを思い浮かべる人も多いかもしれません。
 
毎月定額料金を支払うと、単体で買うよりもおトクな感じですね
 
 

サブスクリプションによる効果

 
サブスクリプションによるビジネス的なメリットといえば
 
「毎月定額で収入がある」
 
という月額定額による収入源を思いつくかもしれませんが、実はサブスクのメリットはこれではありません。
 
たとえば1億円の売り上げがあるゲームアプリで、いまからサブスク機能を導入すると
 
売り上げが1億1万円くらいになるかもしれません
 
でも、この10%の売り上げの積み増しがサブスクの本来の価値ではないんです。
 
 
この10%の売り上げ積み増しをサブスクのメリットと誤解してしまうと、いまさらサブスクを導入するメリットはあまり感じられなですよね。
 
売上は若干上がるけど、サブスク機能の実装にかかる工数に対して効果は限定的なので、割に合わないと考えてしまいます。
 
でもこれはある意味正解で、配信中のゲームに対してサブスクを実装しても、既存ユーザーのARPUがアップするだけです。
 
しかし、もう少し広い視点でみるとこれは大きな間違いで、サブスクの正体を見誤っています。
 
そこで、今回、サブスクの正体について深く迫っていきたいと思います。
 
 
ARPUって何?という人はこちらの記事がおすすめ
 

アマゾンプライムにおけるサブスクリプションの効果

 
超有名なサブスクリプション課金といえば
誰も知っている「アマゾンプライム」ですね
 
月額400円、または年会費3,900円(いずれも税込み)を支払うと
 
アマゾンのお急ぎ便の送料が無料で使えたり
 
映画、デジタル書籍、音楽が見放題聴き放題になったりする
 
アマゾンをよく使う人にとっては、とてもお得な会員制サービスです。
 
 
年会費3,900円ですけど、日々、アマゾンを使っている人なら、元が簡単に取れてしまうお得なサービスといえます。
 
このアマゾンプライムは3,900円の年会費なので、仮に100万人のアマゾンプライム会員が獲得できれば毎年、39億円の売上増に繋がります。
 
(100万人といわず、もっと多いと思うんですけど仮の計算ですよ)
 
しかし、アマゾンの目的は3,900円の年会費による会費収入かといえば
そうではありません。
 
アマゾンプライム会員になった人の特性として
 
・他のECサイトよりもアマゾンを使うようになり
・結果としてアマゾンでお金を使い
・アマゾンプライムは一般会員よりもLTV(Life Time value)も高くなる
 
と推測されます。
 
なぜなら映画、音楽など様々なサービスでアマゾンを利用することで、
 
結果的にアマゾンのサービス全体に対する継続率、接触率は高まりますので、
ユーザーはお買い物も他のECサイトを辞めて、アマゾンに寄せて利用するようになるからです。
 
年間を通してサイバーマンデーをはじめとした様々なセールも開催していますので結果的に、3,900円以上のお金を使う事になるため、LTVも高くなるという仕組みです。
 
年会費を支払ってもアマゾンプライム会員になったユーザーは
アマゾンプライムに加入する決断を下した時点で、
 
オンライン上のお買い物はアマゾンで済ます
 
という心理的な決断が働いていると推測されます。
 
こういう経緯から
アマゾンとしては何としてもプライム会員を獲得したい、プライム会員を獲得する事が売上を伸ばすと考えているわけです。
 
アマゾンプライムは
サブスクリプションモデルのお手本のようなものですね。
 
 

スマホゲームアプリは消費型コンテンツでありサービス開始直後からユーザーの離脱がはじまる

 
ここからは、アマゾンプライムの考え方を、スマホゲームアプリに置き換えてみましょう。
 
生活に密着した他に代替ができないアマゾンサービスに比べると
 
スマホゲームアプリは競合タイトルがあまりにも多く
 
続々と登場する他のゲームにユーザーを奪われる可能性大です。
 
かつ、スマホアプリははゲーム内コンテンツを消費しながら楽しむ
 
「消費型コンテンツ」ですから、
 
コンテンツが消費されるとユーザーはどんどん離れていきます。
 
(離れる理由はコンテンツの消費だけでなく、他にもあるんですけどね)
 
 
結果、スマホアプリはサービス開始直後がもっとも遊ばれている状態で
(=遊べるコンテンツも豊富ですし、目新しさもある状態)
 
その後、急激に、そして緩やかに、
遊んでいるユーザーは減っていくという運命です。
 
そこで減っていく状況をなんとか食い止めようと
 
TVCMを始めとした、あらゆるゲーム内外施策を投じていますが、それを食い止めるのは100%不可能です。
 
実際に現時点でユーザーの離脱を食い止められているスマホゲームアプリは存在しません。
 
スマホアプリは経年劣化によるユーザー数の減少は避けられない
 
と考えておく必要があります。
 
ユーザーが減少すればそれと比例して売上も減少していきます。
 
よって少しでも売上の減少を抑えるためにゲーム運営サイドとしては新しい課金システムやまたはゲーム内で課金したくなるような課金需要創出に迫られているわけです。
 

現状におけるスマホゲームアプリにおけるサブスクリプション課金事例

 
円・お金のマーク
そこで、なんとか
 
こうやってゲーム運営途中から導入された
サブスクリプション課金で有名なのが
 
モンスターストライクの「モンストパス」、通称モンパスです。
 
 
月額480円で様々な特典が受けられるようになっており
ゲーム業界のアマゾンプライムといっても良いサービスでしょう。
 
 
【ゲーム内アイテム付与】
・1日の魂気の獲得上限が500アップ
・クエストが2つまでストック可能
・1日の獲得可能なモン玉ポイントの上限がアップ
・1日1回スタミナ回復
・3か月ごとに★6確定ガチャ
・マルチプレイの経験値アップ
・会員限定の称号フレーム
 →ゲームを有利に、もっと深く遊ぶための直接的なインセンティブ
 
【継続率維持施策】
・1か月継続ごとに紋章チェンジャー1個プレゼント
・1か月継続ごとにアイテムを使わず獣神化できる
 →お金を出してモンパス会員になったくらいのユーザーですから
  モンパス会員を辞める時=モンストを辞める時
  という仮説のもと継続率を維持するためのインセンティブを用意
 
【アマゾンプライム的なゲーム外サービス】
・公式オンラインストア送料無料
・公式オンラインストアでモンパス会員限定セール
・X Loungeの事前予約が可能
・X Flag Store Strike Chanceで限定クエスト出現率アップ
・X Flag Store Shibuyaに予約なしで入店
 →ゲーム内だけでなく、ゲーム外にもモンパス会員になるお得感を作る事で
  モンストを辞めにくい状態を作り出そうとしていると思われます。
 
 
 
そんなモンパスが実装されたのが2017年9月13日
 
モンスト自体のサービス開始が2013年年末でしたので、
 
サービス開始から4年経過してからの
 
モンストパスというサブスクリプション課金導入となりました。
 
モンストパス導入次点で
モンスト自体は全世界で4,000万ダウンロード突破していましたが
 
スマホアプリゲームの特性上、4,000万ダウンロードといっても、
 
その多くはゲームを辞めてしまっている状態なので
 
4,000万人すべてをモンストパスに誘導できるはずもなく
 
誘導できたのは、ごく限られたユーザー数だったと推測できます。
 
とはいえ、モンストほどの大きなタイトルですから
 
仮にモンストのDAU(Daliy Active Users)が500万とすると
 
この10%にあたる50万DAUをモンストパスに誘導できれば、1か月480円ですので月間で2.4億円の定額売上を底上げできるという計算になります。
 
実際にそうなのかはわかりませんが
 
これによって、長期的に見ると安定したゲーム運営の基礎が作れるため
モンストパスのようなサブスクリプション課金を導入する価値はありそうです。
 
ちなみに、ゲーム運営途中からサブスクリプション課金を導入すると
 
全体課金額のどのくらいのシェアを獲得できるのか?
 
どのくらい売上の底上げができるのかという話ですが
 
結論からいうとサブスクリプション課金の課金率は
以下の計算式によって計算できます。
 
「価格」×「特典内容」×「誘導」×「ゲームジャンル・ファンの質」
 
つまり、単純にサブスクを実装すればX%売上が底上げできる
というものではなく
 
様々な要素の組み合わせとその要素の精度によって
効果が大きく変わるというわけです。
 
とはいえ、ちゃんと考えて実装すれば
残存ユーザーの状況にもよりますが
だいたいの肌感覚としては
既存売上の5~15%くらいの間での底上げは見込めると思います。
 
よってサービスが長期化により、現状を維持を目的とするならばサブスクリプション導入は運用タイトルでも価値があります。
 
 

サブスクリプション課金導入は売上低下を招かないか?という不安

 
サブスクリプション課金導入を決断ができない企業の
多くが持っている悩みが
 
 
・サブスクリプション課金導入によって
 
・本来、お金を使ってくれるユーザーが
 
・サブスクリプション課金で満足してしまい
 
・全体の売上低下を招かないか?
 
 
 
という不安があります。
 
この不安に対しては明確な答えがあります。
 
「全体の売上に影響するか否かは
サブスクリプションで得られる特典メニューの設計次第である」
 
つまり先ほど説明した
 
「価格」×「特典内容」×「誘導」×「ゲームジャンル・ファンの質」
 
の設計次第であるといえます。
 
例えば通常の課金で購入できるアイテムの割引セット販売
 
としてのサブスクリプション課金なら全体の売上は低下するでしょう。
 
一方でモンストパスのように
 
・遊びの深さ
 
・継続プレイを維持させる特典を
 
・ゲーム内外で用意する事ができれば
 
アマゾンプライムがそうであるように
 
全体の売上低下はなく、むしろ売上を改善できる可能性もあります。
 
 

ゲームにおけるサブスク導入は配信同時から実装すべき理由

 
というわけで、設計次第では
 
継続率アップ、売上確保、ゲーム運営の安定化になりそうな
 
サブスクリプション課金ですが、ここまで読んでみて
 
その本質について、もう気づかれた方もいるかもしれません。
 
ゲームアプリの場合、
 
サービス開始後、暫く経過してからモンストパスのように実装するのは
すべてのユーザーにサブスクを訴求しきれない
 
だってゲームアプリって配信当日から続々と辞めていく性質があるか
サービス開始後、暫く経過してからでは辞めたユーザーにモンストパスを訴求する手段が限られており、パスを買ってもらうハードルも高いから
 
という話になります。
 
前半で申し上げた通り、スマホアプリの運営において経年劣化による
ユーザー数の減少は宿命ともいえる避けられないモノです。
 
かつ、
 
配信前に事前登録施策などで
 
徹底的にユーザーの熱量を高めた状態でアプリ配信を迎えることが
 
できれば、できるほど
 
配信直後がいちばんアプリが盛り上がるタイミングです。
 
そのタイミングでこそ
サブスクリプション誘導する唯一で、絶好のタイミングなのです。
 
そこでサブスクを実装できなければ
その後実装しても
一番、売り上げやKPIを最大化できたタイミングを逃しているため
 
本来目指せたであろう、このアプリの山頂に辿り着くことはできず
 
5合目くらいを頂上だと思いながら運営している
 
よくわからない状態になります。
 
 
モンストパスが実装されたのは
 
運営から4年が経過した4,000万ダウンロードされた後でしたので
 
もし、最初からモンストパスが実装されていれば
 
もっとDAUを維持でき、もっと高い売上を目指せた可能性もあります。
 
なぜなら先に申し上げた通り
 
アマゾンプライム会員がそうであるように
 
サブスクリプション課金する方は総じて
 
・継続率が高くなる
(やめにくくなる。結果DAUが維持できる)
 
・LTVが高くなる
(サブスクでお金を払っているので、その後の課金率もあがる)
 
傾向になるためです。
 
とはいえ、
ゲーム運営開始後に実装しても全く意味がないとは言いません
 
でも
 
ゲーム配信直後にインストールしてくれるユーザーと
 
ゲーム配信4年後にインストールしてくれるユーザーは
 
同じ1人のユーザーだけど
 
そのゲームに対する熱量は全く違うんですよ。
 
もう少しかみ砕いて説明すると
 
事前登録をして配信日を待ち望んでいたユーザーと
 
CMを見て、なんとなくインストールしてみたユーザーでも
 
その熱量という名のユーザーコンディションは異なります。
 
ということは
 
ゲーム配信直後にインストールしたユーザーの
サブスク加入後のLTVと
 
ゲーム配信4年後にインストールしたユーザーの
サブスク加入した後のLTVも
 
まったく違うという事になります。
 

まとめ

 
ゲームにおけるサブスクについて改めて、まとめてみましょう。
 
 
・サブスクリプション課金は設計次第では全体の売上低下に繋がらない
 
・継続率をアップさせ、そのゲームを辞めにくくする
 
・長期的にみてゲーム運営の安定化に貢献する
 
・アプリ配信開始後ではなく、アプリ開始と同時に実装しておくのが効果的
 配信開始後から実装することで、売上の底上げが期待できる
 
 
 
ここまでの記事を読んで
 
サブスクリプション課金による可能性に気づかれた人なら
 
もうひとつ、気づかれたかもしれません。
 
サブスクを活用した新しいゲームマーケティングの本質は
 
アプリ配信時から実装したサブスクにどれだけ
 
事前登録で獲得した熱々のユーザーを誘導できるか
 
という事になります。
 
となると、
 
・事前登録から
 
・アプリ配信直後も
 
・配信1か月後も
 
・その後継続的に
 
サブスクリプションのメリットをユーザーに伝え続け
 
継続してサブスクリプション加入に誘導し続けることが
 
ゲームのDAU維持、売上底上げに貢献できるという話です。
 
そういうゲーム内外の施策をセットで
 
アプリ配信前から、配信直後、配信以降において
 
継続的にできているゲーム会社は現時点で存在しません。
 
これができれば、
いままでにない新しいゲームマーケティングの勝利の方程式がつくれると思います。
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