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【マス広告不要】SNS時代の逆行を行くテスラの体験型クチコミマーケティング

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【期間限定】横浜みなとみらいにテスラのショウルームがオープンからみるマーケティング考察

新鋭の電気自動車メーカーテスラ(tesla)のショウルームが期間限定で横浜みなとみらいにオープンしています。

場所は横浜みなとみらい「マークイズ」のすぐ横。もとはSAKULAという京都を拠点にしたオシャレな自転車屋さんがあった場所なのですが、そこが撤退した後のテナントを一時的に利用した期間限定のショウルームになります。

みなとみらいエリアには、BMW、ポルシェ、ジャガーランドローバー、フェラーリ、ロールスロイス、ランボルギーニ、マセラティ、アウディなど高級外車ディーラーが名を連ねており、2018年後半にはベントレーまで出店を予定しているとのこと。

なぜ、みなとみらいエリアにここまで高級外車ディーラーが集まるのか?

その理由をまず整理した上で、それに対してテスラが取っているマーケティングがちょっと違うという点について分析していきたいと思います。

【考察1】みなとみらいエリアに高級外車ディーラーが集まる理由

車好き人間ゆえに、購入しなくても(購入できないのですが)ディーラーをまわっていろいろ話を聞くのが好きなのですが、その話を総括すると、みなとみらいエリアの外車ディーラーの売り上げは他のエリアと比べて高いようです。

その理由をまとめると以下の2つに集約されました。

・みなとみらいエリアは集客力があり、土日となると多くの方が来訪され、お店がある事そのものが宣伝的役割を果たしてくれる。家族連れはもちろんですが、パシフィコ横浜や各ホテルで様々なビジネスイベントも開かれるため、ビジネスパーソンにも訴求できるのが大きい

・みなとみらいエリアにお住まいの方からの購入が期待できる。実際にみなとみらいエリアを歩いてみると、異常なほどにポルシェのシェア高いですね。ポルシェのディーラーもありますが、相当売れているのでしょう。

つまり、見込み客となるターゲットが自然と集まるエリアなので、店舗を出すこと自体が宣伝になるわけです。

また高級外車ディーラーが特定エリアに集まれば集まるほど、購入意思のある人は各店舗をハシゴできるので、1店舗しかないエリアに比べると何倍もの集客率と購入への転換率(コンバージョン)が期待できます。

エリア自体に集客力があるため、広告費としての出費はそれほど必要なく、ランニングコストも抑えられる上に、購入者はあまり値引きを要求してくるタイプではないので、利益率も高いため、他のエリアと比べると店舗を維持するコストは割高でも、やっていけるというわけです。ここまでが一般的な高級外車ディーラーの考え方ですね。

 

【考察2】他社とは違うテスラの体験型クチコミマーケティング

ここからが本題、テスラの期間限定ショウルームがみなとみらいエリアにオープンした件、これが今回の考察のポイントです。何がポイントかというと、テスラのショウルームに実際に行ってみたのですが

一応、展示車はあるものの、スタッフはセールストーク的なものを一切してきません。

→たぶん戦略的にあえてしないのだと思われます。

購入しなくてもいいので、試乗をすすめてきます。

→たぶん、試乗人数を期間限定ショウルームの目標数=KPI(Key performance indicator)に設定していると思われます。

これは、他の外車ディーラーを始め、国内ディーラーでは見られない、かなり変わった空気感を感じます。

そもそも、テスラ本体自体が宣伝費をかけてプロモーションをしている場面を見たこともありませんよね?売り方=マーケティングの部分でもテスラは通常の自動車ディーラーとは違った戦略を持っているようです。

「せっかくなので、購入とか関係なく、良い機会なのでとにかく試乗してみてください」

スタッフの方は試乗を勧めてきますが、これは既存の車とは全く違う、試乗すれば誰でも実感でいる体験がそこに存在するからなのです。

電気自動車ということでの静音性だけならば、日産リーフなど国産の電気自動車やプリウスのようなハイブリッドカーと大きな差別化はできません。

でも、試乗車になっているテスラのモデルS PD100は、2.7秒で時速100キロに達するとあります。2.7秒って車に詳しくないとピンとこないと思いますが、1億6000万円するラ・フェラーリ(フェラーリのすごく高いヤツ)と同じくらいの加速があるイメージです。

でもテスラSって900万円から・・・

エンジンで走る車と、電気で走る車の違いでもあるのですが、そもそもラ・フェラーリの試乗体験なんて普通の人はないわけですから、

体験すればテスラの価値がすぐに実感できる

というわけです。

つまり、テスラには価格帯、性能ともに競合メーカーが存在せず、唯一無二のポジションをいまのところ獲得しているわけで、完全に差別化できている商品においては

それを体験し

体験した人のリアルな人脈によって拡散される

クチコミの広がりこそ最大のプロモーション

と考えるわけです。

1億6000万円のラ・フェラーリまでとはいかなくても、900万円以上する車って超高級車ですし、新興の自動車メーカーであるテスラにとっては、何十年にも渡って積み上げてきた老舗自動車メーカーとはブランド力、信用力において勝負はできません。

でも、匿名性が高いSNSで発しられる情報の断片の拡散よりも

知っている人(その人の社会的信用性が高ければ高いほど価値がある)の口から発しられるテスラの試乗体験記ほど価値があるものはありません。

試乗すればわかる、そういう差別化がきちんとされている商材だからこそ

リアルなクチコミマーケティング戦略には一理あると思います。

でも、そういう差別化がされた商品開発ができるというという事は、商品開発のフェーズで適切なプロダクトマーケティングがされているという事でもあります。マーケティングって売るフェーズにおけるマーケティングだけじゃないんです。

【考察3】クチコミマーケティングのKPI設計方法

クチコミマーケティングの効果、つまり

今回のテスラの試乗施策を例にしてみると

A:試乗した人数 × B:試乗した人の社会的信用度 × C:クチコミ回数(=インプレッション)= D:拡散指数

という感じでしょう。

でもテスラのショウルームは期間限定ですから、Aの試乗できる人数には限りがあります。また、試乗した人がどれだけクチコミするか、Cのクチコミ回数はコントロールしにくい部分があります。

今回のテスラとは関係ないですが「いまここで公式facebookフォローして、ツイートするとノベルティあげるよ」みたいな施策を街中で見かける事はありますが、企業側が無理にツイートを促しても、それってほとんど効果見込めないんですよ。

影響力がある人ほど、投稿する内容には慎重になりますし、それを見たフォロワーの心象を考えるものです。まして宣伝広告の肩持ちをしているとは見られたくないもの。ささやかな報酬では。自然と心のそこから湧いてくる試乗体験の感動を伝えたいという投稿には太刀打ちできません。

となると、

B:試乗した人の社会的信用度

をいかに高めるかが、期間限定ショウルームのプロモーション効果を最大化するための課題になりそうですね。

この一連の考え方はあらゆるプロモーションに転用できるので、参考にしてみてください。

 

【考察4】ゲームソフト、アプリへの応用はできないか?

このブログはゲームをテーマにしているので、ここで今回のクチコミマーケティングについて家庭用ゲームソフト、スマホゲームアプリにも応用でいないか考えてみたいと思います。

そもそも、ゲームって、代えの効かない唯一無二に商材だと思いませんか?

新作のドラゴンクエストを遊びたいのに、お財布事情的に買えない、または品切れで買えなかった・・・だから代わりのよくわからんRPGで済ませよう・・・

とは絶対にならないのです。

ドラクエに期待している面白さや体験はドラクエでしか満たしてくれません。

と考えると、

「開発して出来上がったゲームを宣伝やプロモーションで売ろう!」という発想自体がおかしいという事になります。

テスラと同様に、開発段階からプロダクトマーケティングで圧倒的な面白さ、体験の差別化ができた状態にしておく必要があります。宣伝やプロモーションは「売る」のではなく、ゲームそのものが持っている面白さを「伝える」役割に徹するべきで、

今回のテスラのクチコミマーケティングは、ゲームのマーケティング宣伝においても、よい教材になると思いました。

 

ゲームの世界にも車の試乗に近い施策が存在します。

・家庭用ゲームであれば発売前の体験版

・スマホアプリゲームの場合は配信前のCBT(クローズドベータテスト)、またはスマホアプリはゲーム内課金タイプがほとんどですから、誰でも無料でダウンロード&プレイできます。これ自体が家庭用ゲームの体験版に該当するわけですから、アプリ配信直後におけるユーザー体験をどこまで拡散させるのか、そこにプロモーションを注力するのもアリです。

今回のテスラの試乗施策で例にあげたこちらの式をゲームに当てはめると

A:試乗した人数 × B:試乗した人の社会的信用度 × C:クチコミ回数(=インプレッション)= D:拡散指数

 

家庭用ゲームなら

A:体験版プレイユーザー数 × B:体験版をプレイしたユーザーのゲーム業界における社会的信用度 × C:クチコミ回数(=インプレッション)= D:拡散指数

となりますし

スマホゲームアプリなら

A:CBT、またはアプリ配信直後プレイしたユーザー数 × B:体験版をプレイしたユーザーのゲーム業界における社会的信用度 × C:クチコミ回数(=インプレッション)= D:拡散指数

となります。

ただダウンロード数とか、体験版配信数とか、「数を追うのではなく」

いかに「質」が施策効果に大きく影響するという事が、ここから想像できるのではないでしょうか?

テスラの試乗と違う点は、体験版、アプリ配信は数に限りなく配信できるので、Aもプロモーション施策で広げられるし、B、Cもアイディア次第で広げられそうですよね?

ただダウンロード数とか、体験版配信数とか、「数を追っている」のがマーケティング、宣伝の仕事ではないのです。

スマホゲームアプリのマーケティングにおいては、この考え方ができている人は(実際に施策に落とせているかとまでいかなくても話が通じる人)まだまだ少ないですが、そこそこいます。でも家庭用ゲームの世界では皆無と言ってもいいでしょう。

この差は本当に大きいです。

まとめ

今回はテスラのディーラーきっかけに、クチコミマーケティングについて深掘りしてみました。いろいろ応用が効くヒントになる考え方だと思いますので、ぜひ、参考にしてみてください。