ソーシャルゲームプロモーション事例から読み解く事前登録マーケティングのヒント
スマホアプリマーケティングにおいて必須施策ともいえるのが「事前予約登録施策」
世の中にリリースされるアプリゲームのほとんどがアプリ配信前に「事前登録キャンペーン」といった施策を行っています。
しかし、事前登録施策における「目的」「効果」などが十分理解しないままに実施されているケースもあり、本当にもったいないなぁ、とたびたび感じていました。
そこで、今回は事前登録プロモーションを成功させるためのヒントになりそうなことを掘り下げてご説明していきたいと思います。
事前予約登録で重要なのは「量」ではなく「質」である
「事前予約登録100万人突破」
なんだか凄く話題になっているゲームっぽい気がしませんか?
配信前からゲームファンの期待感も高まっていて100万人がゲームアプリの配信開始を待ち望んでいる、そんな様子が浮かんでくると思います。
しかし、「事前予約登録100万人突破」といっても本当に100万人が待ち望んでいるのでしょうか?アプリ配信開始直後に100万ダウンロードが期待できるのでしょうか?
答えはNOなんです。
100万人という登録数はウソではないんですけど配信直後に登録した100万人がそのままアプリインストールするわけではありません。
なぜなら100万人の内訳は下記のような6つの「かもしれない」が混在しているためです。
・100万人登録しても、その中で同じユーザーが重複しているかもしれない
・登録したことを忘れているかもしれない
・登録したことを忘れていないけど、事前予約登録したから興味が薄れているかもしりえない
・アプリ配信に気づかないかもしれない
・ゲームの事前予約登録以外の目的で登録しているかもしれない
・そもそも、よくわからないで登録しているかもしれない
この「かもしれない」によって
100万人の事前登録数のうち、何人が実際にアプリインストールするかを決める要素を転換率(コンバージョンレート)と呼んでいます。
100万人の事前登録数があっても、「かもしれない」の状況で
転換率が5%まで落ちているならば、インストール数は
100万人×5%=5万人
となるわけです。
一方で、「かもしれない」を考慮した対策を打てて、転換率を20%まで維持できれば、インストール数は
100万人×20%=20万人
となります。
つまり、事前登録は「数」ではなく「質」が重要というわけです。
でも、ここでお気づきの方がいるかもしれませんが
20万人のインストールを獲得したいならば、100万人の事前登録を集める必要はないんです。つまり徹底的に転換率を意識した施策や準備ができれば
50万人×40%=20万人
事前登録50万人でも、100万人と同じ結果を生み出すことができます。
「事前登録100万人突破」なんて言っていたのに、配信されてみたら、あの新作アプリはイマイチ勢いないなぁ
というギャップはここから生まれるわけです。
事前予約登録で使われる媒体特性と転換率の関係
事前登録施策として使われる主な媒体は次の通りです。
それぞれメリット、デメリットがあります。
・メール
メリット:みんなメールアドレスなら持っている
デメリット:転換率が低い(開封率+アプリインストールの2重のハードルあり)
・LINE
メリット:配信後もフォロワーに対して情報を送れる
デメリット:LINEアカウントが必要、アカウント開設費用がかかる
・Twitter
メリット:配信後もフォロワーに対して情報を送れる
デメリット:Twitterアカウントが必要、LINEに比べると転換率が低い
・GooglePlay事前予約
メリット:配信開始と同時にストアから連絡がくるため転換率が高い
デメリット:配信後に登録したユーザーの活用ができない
・AppStore事前予約
メリット:アプリ配信と同時に自動でインストール開始。転換率ほぼ100%
デメリット:事前審査が必要、配信後に登録したユーザーの活用ができない
・予約TOP10
メリット:コアゲームユーザー多い
デメリット:相性が悪いゲームジャンルがある
という感じでいろいろな予約媒体があり、それぞれ特性が異なるわけですが、
そのアプリのターゲット世代や、嗜好性、プロモーションに使えるコスト(お金だけでなく、人的なリソースも含む)によって事前登録のメディアを組み合わせを考えてみるのが良いですね。
そもそも事前登録施策の目的とは?
そもそも何のために事前登録施策をするのだろう?
みんなやっているから、うちもやっておこう!
とならないように、事前登録施策の目的について改めて整理してみましょう
>目的:機会創出
・配信初動で一定のインストールを稼ぎ無料ランキング上位に掲載され
そこからの副次流入を期待する
>目的:売上貢献
・事前登録をしてくれる=そのゲームアプリの事を超期待してくれている
というわけですから、普通にダウンロードする人に比べると、課金率、課金額が高いユーザーである可能性があるんです。アプリ配信から2年後、事前登録から遊んでくれているユーザーが売上の根っこを支えてくれているというケースも。
>プロモーション費の効率的な使用
・1人のユーザーを獲得するために必要なコストを比べると
アプリ配信後に獲得するコストよりも、事前登録で獲得するコストの方が安い傾向にあります。
つまり、事前登録を成功させることが
・さらに多くの方に遊んでもらえるきっかけをつくり
・長期にわたって運営を支えてくれる
・限られたプロモーション費を有効活用できる
という部分が見えてきます。
それでも事前登録で「数」にこだわる理由
事前登録で「数」を追いかけると、お金がかかります。
Twitter、LINEに登録させるアクションをユーザーに強いるためにお金がかかるんです。
※数を集める方法については、今回は触れません。
でも、そうやって無理に集めた事前登録は転換率が下がりますので、結果的にゲームを遊んでくれる人数も、それほど多くは見込めません。
それでも事前登録で「数」にこだわるアプリが絶えないのは次のような独自の理由があると推測されます。
・事前登録で超流行っている、期待されている感を出したい
・流行っている感を世の中に発信して注目を集めたい
・注目を集めた結果、それまで気にしていなかったユーザーも振り向かせたい
・社内で目標数が決められてしまっているから・・・など
ただし、正直なところ
「事前登録100万人突破」がどれほど「超流行っている」「期待されている」感を世の中に発信できるかというと疑問です。
それは
・100万という数がどれほど凄くて、それが人のココロを動かすのか?
・もし人のココロを動かすならば、それを伝える施策がセットで用意されているか?
という点があるためです。
「事前登録100万突破」のプレスリリースや、公式サイトに「事前登録100万人突破」バナーを掲載をしたところで、それが誰かのココロを動かすのは、ゼロではないとは断言しませんが、状況を大きく変えるほどの効果あり!とは、ちょっと期待過剰だと言わざるをえません。
本質的に重要なのは
事前登録施策の結果を経て、アプリ配信直後にどんな状況がつくれているか?
なのですから
限られたコスト(お金や人的リソース)をかけるのは
「数」のためではなく、「質(転換率)」を高めるところに投入するべきです。
番外編:事前登録からの転換率を上げる、下げる施策ヒント
細かい施策例をあげるときりがないので、ここでは事前登録からのアプリインストールまでの転換率を上げる、下げる施策についてヒントをまとめてみました。
>こんな事前登録は転換率が下がります!
例1)LINE、Twitterで事前登録をすると抽選で100名様にギフトコードが当たる
ゲームアプリとは全く関係ないところで、事前登録へ誘導するケース。
見た目のフォロワー数(事前登録数)は増えますが、その多くはギフトコード(インセンティブ)目的なので、実際のゲームアプリダウンロードにはつながりません。
※ギフトコードを家電製品、食肉、旅行などに置き換えても同じです。
例2)LINE登録するとLINEポイントもらえる
「LINE友だちになると、LINEポイントがもらえる」という施策も見かけますが、こちらも「LINEポイント」というインセンティブが目的になっているので、ポイントを入手したら、すぐに友だちブロックをしてしまうユーザーが多いです。
また、LINEポイントに価値を感じる世代は10代が多いため、ゲーム内容とのギャップがあるほど、さらに転換率は下がります。
つまり、まとめると
ゲームと関係ないインセンティブ(報酬)で集客するのは転換率において効率が悪いという事になります。転換率が悪い分、とにかく「数」が必要になるためプロモーション費が潤沢にないと、あまり効果を出しにくい施策といえます。
>こんな事前登録は転換率が上がります!
例1)ファンを集める&ファンをつくる
既にファンが存在するタイトル(キャラクター版権モノ/続編モノ)なら
ファンがTwitter、LINEに登録する理由は何なのか?
を第一に考えると施策を組み立てやすくなります。
その上で、それを適切な方法でファンに伝えればよいわけです。
ファンが存在しない完全新規タイトルならば
事前登録以前の課題として「ファンをつくる」というフェーズを設けて、それをクリアする必要があります。「どうやったらファンを作れるのか?」という話は別の機会に。
例2)いま事前登録すると配信前にスペシャル音源が聴ける
ゲームジャンルとの相性や、ターゲットユーザーに対して音源が本当にいいのか?
という議論は必要ですが、何を言いたいかというと
「ゲームの魅力を事前に体感できる特別なコンテンツ」は
自然な流れでファンを事前登録に誘導できるため、転換率はぐんと上がります。
そんな理想ばかり言っても、現実的に事前登録数が稼げないではないか?
と思われる方もいると思いますが、その場合は
そのアプリで想定しているターゲットユーザーに対して「ゲームの魅力を事前に体感できる特別なコンテンツ」の存在を知らせるタッチポイントを増やす施策を講じる事で解消できる場合もあります。
実はゲームマーケティングにおける多くのプロモーション事例を探ってみても、
施策は良く作られているけど、それを伝える手段がポッカリと抜けている「超モッタイナイ」ケースが結構みられるので注意が必要です。
まとめ
事前登録だけ掘り下げてみても、いろいろと考える事がありますね。
他にも、まだまだ考える事があって、今回、ご紹介できたのはほんの一部ですが、これらを踏まえた上で企画を立てれば、施策効果として大きな差がつきます。
ここまで掘り下げてできているゲーム会社は少ないので、やればやるほどアドバンテージが作れる感じがします。
ところで、事前登録施策ひとつとっても、なんかソーシャルゲーム業界って、面白そうな感じしませんか?
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