会社から戦力外通告を受けた数年後、会社を戦力外通告したという話
かつて、会社から戦力外通告を受けた話をしたいと思います。
20代後半、初めての転職した企業で
誰よりも頑張って働き、もがいていた自分がいました。
残業は当たり前で
他の人よりも行動して
なんとか結果を出すべく毎日奮闘していました。
そんなある日、会社の業績が傾いて
人材削減をしなければならなくなったこともあって、リストラ対象になったわけです。
リストラというのは本当に残酷で、
その人の頑張りとか、能力とか関係なかったりします。
100人の部門で10人リストラしなければならない
そんなノルマが人事部から部門に降りてくるわけです。
そこで、リストラする側が自己保身のために、自分の仲間じゃない人、気に入らない人(私のような中途入社組)をリストラ対象にピックアップされます。
リストラする側も、いつかはリストラされる側に回るかもしれないので
自分にとってメリットのあるイエスマンは残して
それ以外の人を切るというケースは結構あるのです。
(実際にこのとき、リストラする側に回った役員はその後、リストラされましたがw)
その結果、私はリストラ対象になり、役員に呼び出され戦力外通告を受けたわけです。
リストラ対象は最後に呼ばれる
順番に役員と面談をするわけですが
面白かったのはリストラ対象の人ほど、最後の方に呼ばれます。
これは人事部はそうやるように役員に対して指示しているらしいですが、最初に呼んで「あなたは戦力外です」と伝えると
騒ぎ出す人がいて、収拾がつかなくなることから、そうするらしいのですが
私ともう一人の仲間は最後に役員室に呼ばれて戦力外通告を受けました。
このやり方は気に食わないし
そもそも、ここで戦力外通告になる明確な理由がないんですよ。
(実際にこのリストラに対しては明確な理由が存在しませんでした。なぜならただの数減らしであり、残れる人はこの役員の仲間だけであり、私は中途入社組だから切りやすかっただけだったのです)
この会社に未練はなかったのですが
このやり方には頭にきたので、私を含む2名はリストラを受け入れずに居座ることにしたわけです。
戦力外通告後も居座ることに
会社としては無理に辞めさせることはできないので、私は部署異動になり、それから1年間、全く仕事が与えらえない(させてもらえない)状況を過ごしました
(これもひどい話なんですけどね)
それまで担当していたプロジェクトも他の人に奪われ、そのプロジェクトは大成功して社内から表彰され・・・・
というひどい仕打ちだったわけです。
しかし1年も経過すると状況は大きく変わり始めました。
本当にこの会社に対して頭にきていたので
私は自分で新しいプロジェクトを立ち上げ、その商品は利益率1000%を超える大ヒットを記録したからです。
それまで与えられた仕事しかこなせないような社風の中で、自らプロジェクトを立ち上げ結果を出したということで1年後には表彰されるまでになりました。
人生って、わからないものです。
戦力外通告した役員が戦力外通告を受ける
しばらくすると私を戦力外通告した役員が戦力外通告になり
社内の体制は大きく変わりました。
私は会社を代表する大きなプロジェクトを次々と担当し、結果を出しまくって
常にプラス評価され、給料も職位も上がっていったわけです。
しかし、心の中でずっとひっかかっていたのは
理由なく一方的にリストラ対象にした会社の姿勢、体質でした。
なぜなら、その後、この会社は何度となくリストラを実施していくことになります。
私はリストラ対象になることはその後なかったのですが、多くの仲間が、理由なき理不尽なリストラに泣いてきたからです。
この会社、全然、学ばないよね・・・という感じでした。
今後はこっちが会社を戦力外通告する番だ!
その後、月日は流れ、私は数々のプロジェクトを立ち上げ多くのヒットを飛ばし
社内でも影響力を高めていくことになりました。
そして、あるとき私は感じたのです。
今、辞めたら1000倍返しで会社を戦力外通告できるぞ
私は会社を戦力外通告することにしたわけです。
そして、私を必要としてくれる会社に転職しました。
実際のところ、そこまでムキになって大人げなく辞める必要はなかったかもしれません。
でも、会社が社員を一方的にリストラできるのに、社員が会社をリストラできないなんて、フェアじゃないと思うのです。
私が辞めたからと言って会社の体質は変わらないでしょうし、その会社はいまだに存在します。
でも、私がいなくなったことで、ちょっとだけその会社の未来は変わったのかもしれません。
転職は今の会社に対する戦力外通告だと思う
なぜ、我々は転職するのか?
表向きには
「成長したい」「新しいチャレンジをしたい」
と言ったとしても、実際のところ多くの人は今働いている会社に対して戦力外通告をしているようなものです。
全ての転職がそうとは限りませんが
今働いている会社に対して戦力外通告ができる人は、これからの人生も逞しく生きていくことができます。
どんなに会社を愛しても、所詮あなたの持ち物にはなりません。
愛社精神とか全く無意味です。
そして、いざとなれば理由もなく一方的に会社から戦力外通告を受けます。
これが会社員という被雇用者の宿命なのです。
もし、悩んでいるなら、むしろこっちから会社を戦力外通告してやるべきだと思います。そしてそのくらいの気持ちがある人が、これからの世界を生き抜ける人
だと思うのです。
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