事前登録100万突破のカラクリとは?絶対にやってはいけない事前登録マーケティング

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【結論】「事前登録キャンペーン」って実はいらないんじゃないの?

新作スマホアプリ!事前登録キャンペーン50〜100万突破!

そんなニュースを聞いたら、どんな印象を持ちますか?

ゲーム好きな人なら

「100万件もの事前登録を集めるゲームだから、巷では相当話題になっている期待のアプリのはず!ならば私も事前登録しておくか!」

と思うかもしれませんし、株の運用をしている方なら、

「この会社の新作ゲームは、凄い話題になっている!これはヒットが期待できるぞ!」

と思うかもしれません。

しかし、ちょっと待ってください。

本当にそのゲームアプリを期待している100万人もの人間が存在するのでしょうか?もし100万人も存在するなら、それは大ヒット間違い無しの超期待のゲームアプリに違いありません。

そして、全く新規の新作アプリなのに、事前登録で100万件突破だなんて・・・こんな短期間に100万人もの人を魅了したマーケティングが存在するならば超気になりますよね?ぜひ教えて欲しい!!

しかし、100万件もの事前登録を集めたのに、アプリ配信後、全く結果を出せずにいるゲームアプリを目にするのも事実。これってなぜなのでしょうか?

原因は数字上の100万件の事前登録はあるけれど、それは実態が伴わない数である事が多いのです。今回は、その知らざるカラクリの見分け方について解説していきましょう。

 

スマホアプリの事前登録方法の多くはTwitter、LINE

スマホアプリの事前登録方法といえば、その多くがLINE、Twitter、メールなどが使われています。

LINEの友達数、Twitterのフォロワー数、メールアドレスの登録数をもって事前登録数とカウントしています。

もし、あなたがそのゲームのファンなら、ゲームアプリの公式LINE、Twitterをフォローして最新情報を入手したいと思うかもしれません。本来、自然な形でファンになってアカウントをフォローするのが事前登録としてはあるべき姿です。

しかし、前日までLINE友達1000人、Twitterフォロワー1000人しかいなかったのに、翌日から10万超え、いや100万超えという、おかしな現象を目にする事があります。

実は短期間に多くの人に事前登録対象のアカウントをフォローさせる方法があるのです。

 

・LINE

「特定のアカウントの友達になると、LINEコインを2枚プレゼント」

ゲーム会社に限らず、そんなキャンペーンをLINEの中で見かける事があります。LINE友達を獲得したい企業が使う定番施策なのですが、これがゲームアプリの事前登録でも使われているケースを見かけます。

昨日まで友達1000人しかいなかったゲームのLINEアカウントが翌日には友達10万人になっていて、その結果、事前登録10万人突破!と発表しているようなケースです。

「まったく知られない状態でアプリ配信を迎えるよりは、少しでも多くの人に認知してもらう方がいいだろ」

なんて言う人もいますが、これは大きな間違いの始まりなのです。

そもそも「LINEコインがもらえる」というメリットで友達になった人ばかりですからゲーム自体には興味はありません。結果、LINEコインを手に入れたら、すぐに「友達ブロック」してしまうケースが多いんです。

LINEで10万人の友達を獲得できたけど、既に9割はブロックされて、1万人しか残っていない・・・・そんな状況も想像できますね。

 

・Twitter

「Twitterアカウントをフォローして、動画を最後までみると商品が当たる!」

というプレゼントキャンペーンを最近見かけるようになりました。

これも短期間でTwitterのフォロワーを獲得するための定番施策なのですが、ゲームアプリの場合、Twitterのフォロワー数を事前登録にしているケースが多いため、こちらも事前登録を獲得する施策として使われているケースが多いです。

「動画を見て当選する」という施策をとった場合、通常ではありえないような異常に多いTwitter投稿数になってしまうという弊害ああり、投稿数を見る事で、このアプリは「動画を見て当選する」施策をとったという事が判断できます。

その他Twitterでよくみる広告で「フォローすると抽選でXXXが当たる!」といった単純なプレゼントキャンペーンも事前登録数を獲得するために使われる場合があります。

 

※誤解ないように、すべての事前登録キャンペーンがこれに該当するわけではありません。

事前登録キャンペーンの目的とは?

ところで、そもそも「事前登録キャンペーン」って何を目的として実施するのでしょうか?

 

①ゲームアプリ配信前にゲームの存在を知ってもらい、期待を高める

②認知と期待の結果、LINE友達やTwitterフォロワーという形でプールして

③アプリ配信時に配信した事をお知らせして

④アプリ配信初動からすぐに遊んでもらい良いスタートダッシュを決める

 

という一連の流れをゲーム会社のマーケティング担当はイメージする事でしょう。

つまり、事前登録の目的とは

④アプリ配信初動からすぐに遊んでもらい良いスタートダッシュを決める

というところにあります。

そのためには、いかに多くの人に事前にファンになってもらい

 

「③アプリ配信時に配信した事をお知らせ」が伝わる環境を築き

「④アプリ配信初動からすぐに遊んでもらえる」ようにファンのコンディションを整えられる

かがポイントになるのです。

しかし事前登録数の「数」を目的にしてしまうと、100万件達成のためにあらゆる手を尽くして数字を集める事になりますので、本質的な目的である④は達成できません。

LINEとTwitter合計で100万件の事前登録を獲得しても、無理やり集めた事前登録では、事前登録の時点で、既に9割の方が離脱してしまい、アプリ配信時には、ほとんどアプリインストールに繋がらなかった・・・という事もありえるのです。

事前登録キャンペーンの効果算出方法

事前登録キャンペーン施策ってお金がかかります。

まして、100万人の事前登録を集めるためには結構なお金が必要です。

そして、ここで投資したお金は将来のゲーム運営時のゲーム内課金売上をもって回収しなければなりません。

計算式は以下の通りです。

事前登録100万件にかかった金額 ÷ 事前登録数のうち実際にアプリインストールした数 = 事前登録経由で獲得したアプリインストール1件にかかった費用

 

事例として計算してみましょう(金額は仮です)

事前登録100万件にかかった金額1000万円 ÷ 事前登録のうち実際にアプリインストールした数1万件 = 事前登録経由で獲得したアプリインストール1件1000円

この場合、事前登録経由で獲得したユーザーの獲得単価は1000円になります。このユーザーがゲーム内で課金するかもしれないし、全く課金しないかもしれない!(課金しないと1000円は回収できません)

課金するユーザーと、課金しないユーザーを含めて、このゲームのプレイ人生の中で使う課金金額の平均値を生涯顧客単価(LTV Life time value)というものが存在します。

LTVが1000円を超えなければ、事前登録キャンペーンは全く意味がない、利益を生まない施策という事になるわけです。

ここを理解していると、事前登録経由で獲得したアプリインストール1件1000円を低く抑えるためには

「事前登録にかける金額を抑える」

「事前登録のうち実際にアプリインストールする数を増やす」

の2点が重要になります。

事前登録にお金がかかるのは仕方ないです!

でも、その金額で集めた事前登録の中身の質が「事前登録のうち実際にアプリインストールする数」に影響を与えます。

これを転換率(コンバージョン)と呼んでいますが、

事前登録100万件でも、実際にアプリインストールした数1万件

の場合は転換率は10%というわけです。

そんな事あるはずがない!

と思うかもしれませんが、本来ゲームに興味がない人で構成され、ゲームアプリ時点では既に多くの人がLINEブロックしている状態を作ってしまうと10%以下のケースも十分に考えられます。

一方で、ファン化を促進する事前登録にお金をつかうマーケティングができていれば、転換率は理論上、限りなく100%に近付きます。

実は「事前登録キャンペーン」って不要じゃないのという説

さて、ここからが本題です。

あたり前のように、あらゆるゲーム会社が実施している「事前登録キャンペーン」ですが、

ちょっと冷静になってよく考えてみてください。

「事前登録キャンペーン」の本質的な目的は

④アプリ配信初動からすぐに遊んでもらい良いスタートダッシュを決める

でした。

そのためには、

いかにアプリ配信前にファンを獲得し、いつでもアプリ配信情報が届けられる関係を築けるか

にかかっています。そのためには、

気持ちよく、自然な形で公式Twitter、LINEをフォローしてくれれば良いわけです

「ファンになってもらい、気持ちよくフォローしてもらう」

その行為を促進する事と

目先の報酬目的で、フォローさせる事前登録キャンペーンは実は相反するものなのです。

事前登録キャンペーンとはゲーム会社側の都合で作られたキャンペーンであり、ユーザー本人が必要とした結果生まれた施策ではありません。

そもそもユーザー本人は「事前登録しておくか!」という思いよりも「ファンだから最新情報を知りたいぞ!」という思いで公式アカウントをフォローするんです。

事前登録キャンペーンをやらなくても、公式アカウントをフォローする状況を作れるならば、その状況を促進する施策にあえて「事前登録キャンペーン」という名称を付ける必要もありません。

「ファンクラブ会員募集!会員になるにはLINE友達になろう」で獲得した100人

「事前登録キャンペーン実施中!LINE友達になろう」で獲得した100人

同じ100人だけど、きっと転換率(コンバージョン)は違うような気がしませんか?ここまで踏み込んで考えられるかが、優れたマーケターになれるか、否かの分かれ道です。

もひとつの事前登録の目的

ところで

「④アプリ配信初動からすぐに遊んでもらい良いスタートダッシュを決める」

だけがLINEやTwitterをフォローさせる事前登録の目的ではありません。

実は、いかに配信前の事前登録フェーズにおいて質の良いファンをLINE、Twitterで獲得できたかは、その後のアプリ運営に大きく影響します。

 

長いゲーム業界における私の経験に基づくオリジナルの言葉ですが

「アプリ配信直後インストールした瞬間からユーザーは離脱していく、だから常に離脱したユーザーに問いかける必要がある」

これ重要です!

 

これは、かなり核心を付いている言葉で、アプリ配信初動で大成功すればするほど、離脱も進みます。だからこそ常に戻ってきてねとラブコールを送り続ける必要があるんです。

でも、別れた彼女の連絡先を知らなければ「戻ってこいよー」なんて叫んでも伝わらないですよね?

もう気づきましたよね?

アプリ配信前の事前登録フェーズにおいて質の良いファンをLINE、Twitterで獲得できていれば、離脱しかかっているユーザーに「戻ってこいよー」と伝える事ができます。

しかし、100万人の事前登録があっても、実際に1万人しか残っていないならば1万人にしか伝わらないのです。

事前登録をその場しのぎの数字合わせの施策としてみず、真剣に向き合っていれば、アプリ配信後でも、健全なゲーム運営ができるのです。

まとめ

数字を追いかける従来の「事前登録キャンペーン」自体は、もはや効果が見込めず、新たな施策を打てないと、戦えない状況がすでに来ています。

既にファンが存在するキャラクター版権を使ったゲームアプリなら、まだ従来の施策でも戦えるかもしれませんが、ファン0人からスタートする完全新作アプリにおいては、タイトル発表から、アプリ配信までの短期間において「本物のファンをつくれるか」が成功のポイントになります。

「ファンを作れるか」は精度が高いマーケティング戦略と、「既存の発想にとらわれない企画力」の2つを求められる事になります。マーケティング、宣伝力がなければ戦えない状況はもうすぐそこまで来ています。

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