ゲームクリエイター・宣伝マーケティング営業はこうやってモチベーションを上げよう
まだまだ浮き沈みの激しいゲーム業界。
歴史ある大手ゲーム会社でもビジネス的に安定している会社はごく一部。
中小企業になると1年先、いや数ヶ月先も見えない会社も結構あります。
そんな浮き沈みの激しいゲーム業界で長年働いていると様々な外的・内的要因に潰されることなく、いかに「モチベーションを維持できるか?」が結構重要だということに気づきます。
そこで、今回はゲーム業界で働いていて
モチベーションが上がるとき(≒やりがいを感じるとき)
モチベーションが下がるとき(≒もう辞めようかと思うとき)
について長年の業界経験を踏まえてご紹介したいと思います。
こんなときモチベーションが上がる↑
新しいゲーム作品の担当になって、そのゲームが発売されたとき
開発、宣伝、PRなど職種は問わず、初めてゲームの発売に関わった時はモチベーションあがりましたね。
特に家庭用ゲームの場合、いまは電子取扱説明書となってゲームソフト内に収録されるようになってしまいましたが、以前は紙の「取扱説明書」がパッケージに封入されていて、そこに自分の名前が掲載されたりすると若手はモチベーションがかなりアップしたと思います。
また、スマホアプリでもスタッフロールをあえて入れているゲームもあって、自分の名前が入っているとモチベーションアップします。
もちろん、すぐに慣れてしまうので永続的にモチベーションアップは期待できませんが。
担当のゲームソフトが売れたとき
「PS4のソフトがX万本売れた」「スマホアプリが月商X億円超えた」とか、目標の数値を超えた瞬間はシンプルにモチベーションはあがります。
どっちが上がるか?というと適切な答えは難しいのですが
発売日がゴールであり、すぐに結果がわかるPS4のソフトは急激にモチベーションがあがって、ゆるやかに下がりつつも、次回作発売までモチベーションが持続する感じ。
一方で配信開始日がスタートであり、見えないゴールに向かって突き進むスマホアプリは結果が残り続ける限り、モチベーションが高止まりするという感じ。
どっちが良いかは好みになりますが、最終的にはPS4のような家庭用ゲームの方がゲームソフトとして物理的に後世に残るので、何年経っても成功体験が持続する=モチベーションは維持する傾向にあると思います。
一方でスマホアプリはサービス終了と共に、そのアプリ自体も闇に葬られてしまい物理的に何も残らないわけですから成功体験が持続する=モチベーションが維持できるとは言いにくいかもしれません。
給料が上がったとき(≒会社内で適切に評価されたとき)
会社内で評価を受けて、それが給料に反映されるというのは、あがった金額の大小に関係なく嬉しいですし、事実モチベーションもあがります。
ちなみに、給与金額の大小がモチベーションを左右するならば、家庭用ゲームよりも、スマホアプリの方が評価を受けた際の給与の上がり幅は大きい傾向にあります。
評価は会社に対する貢献度(利益のインパクト)に左右するため、家庭用ゲームに比べるとスマホアプリの方がヒットした場合の利益率が高いためです。
また従業員が多く歴史あるゲーム会社よりも、新鋭ゲーム会社の方が、人事評価についてドラスティックに対応できるケースが多い印象があります。
歴史あるゲーム会社だと、相対評価を重視しがちで、突出した成績を残しても、その本人だけを全体の基準を超えて評価しにくい風潮がありますね。
ゲーム業界や世間から評価されたとき(≒メディアの取材を受けたとき)
ゲーム雑誌やメディアのインタビューを受けて、メディアに掲載されることに対してモチベーションを感じる人もいます。
世間からの評価で究極的な評価にあたるのが毎年9月に開催される「東京ゲームショウ」で実施される国内最大のゲームアワード「ゲーム大賞」です。
ここで関わったゲーム作品が受賞するとモチベーションは相当あがりますし、受賞を目標としてゲーム開発しているクリエイターもいます。
ただし、ゲーム大賞にノミネートされるタイトルは家庭用ゲームばかりなので、アワードを取りたい!という方は家庭用ゲーム業界がおすすめです。
一緒に仕事をしたい仲間がいるとき
ヒットが生まれなくても、給料があがらなくても、上長から評価されなくても、一緒に働きたい、仕事をしたい仲間がいる事もモチベーションアップにつながります。
いわゆる意心地がいい職場、お互いに刺激しあえる職場もモチベーションアップを高めてくれます。
若い時は、お金や名声など承認欲求を満たしてくれる事がモチベーションアップにつながる傾向にありますが長年、ゲーム業界で働いていると、最終的には仲間や環境が大切になってくるというのが私の感覚です。
こんなときモチベーションが下がる↓
給料があがらないとき(≒会社内で適切に評価されないとき)
嘘のような話に聞こえるかもしれませんが、結果を残して会社に貢献しても、全く評価されず、昇格も昇給もされない人います。
「結果が残せないから評価できない」
なら納得できますが、
「結果を残しても、それは評価しない」
となるとモチベーションはダダ下がりになってしまいます。
原因としては、適切な目標設定ができておらず、人事評価システムが十分に機能していない事が推測されるのですが、それを会社が改善しようという姿勢が見えない場合もモチベーションは下がってしまいますね。
チャンスが与えられないとき(≒企画が通らないとき)
金銭的に満たされなくても、自分がつくりたいゲームを作れるとモチベーションはアップするかもしれませんが、その一方で、どんなに新しい企画を提出しても却下されてばかりになるとモチベーションが下がります。
却下する理由に納得できれば、それほどモチベーションはさがらず、もう一度新しい企画を提案する気になるかもしれませんが、
「どんな企画が来ても通す気がない」「真剣に向き合ってくれない」というマネージャーもいるようです。
その一方で「なぜ我が社が新しいタイトルが出てこないのか?」と不満を募らせている経営層がいるわけです。現場では企画が潰され、スタッフのモチベーションが下がっているのを知る余地もないという状態になる場合もあります。
人間関係がうまくいかないとき
あの人の発言は理不尽で、まったく筋が通っていない
圧力で締め付けてくるといった、ちょっとしたパワハラ気味たもの。
やればいいんだ!の一点張りで論理的な会話ができない
わからないから教えを仰いでも教えてくれない
など
適切なコミュニケーションが取れない関係が続くと、モチベーションは下がってしまいます。
会社の業績が良くないとき
自分自身は結果を出して、会社に貢献しているけど会社全体の業績が悪く「焼け石に水」状態
会社の業績が悪いから、結果を出しても適切に評価されず給料も据え置き状態。
個人ではどうにもならない状態になるような場合でもモチベーション下がってしまいます。そういう状況になると、優秀な人から辞めてしまうのが自然の摂理。するとさらに業務負荷が高まって、状況はさらに悪化するというスパイラルに突入していきます。
モチベーションあげる方法
短期的な目標を決める
おすすめのモチベーションアップ方法としては、3ヶ月から半年間といった短期間で目標を設定してみるというのはアリです。
ゲーム業界の場合、職種によって設定する目標内容も異なると思いますが
・新しいゲームの企画を10本書く
・簡単なスマホアプリ開発にチャレンジする
・プログラミングの勉強をする
・新しい宣伝手法にチャレンジする
・Webマーケティングの知識を身につける
など業務に直結するものから
・オンラインで英語を学ぶ
・Kindle で漫画を100冊読む
・映画を100本観る
といった業務とは直接関係ない目標設定をするのも良いと思います。
ポイントは短期間で、かつ達成できるギリギリの目標設定にすること。自分で立てた目標を達成する経験を重ねていくことでモチベーションを維持できます。
長すぎる目標設定は途中で疲れてしまいますので、大きな負荷にならず、かつ小さな達成感を味わえるような設定がおすすめです。
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長期的な人生の目標を見つける
将来的にはゲーム会社をつくって起業したい
ゲーム専門のプロモーション会社をつくりたい
あの有名ゲームクリエイターと一緒に仕事がしたい
とか
日本を代表するゲームクリエイターになりたい
日本を代表するタイトルのゲーム開発、プロモーションに関わりたい
など、短期的には達成できないけど、人生をかけて長期的にチャレンジする目標を見つけられると、どんなに現状が辛くても、人生の目標があるゆえにモチベーションを維持する事ができます。
モチベーションアップで悩んでいる人の多くが、「長期的な人生の目標設定ができていない人」が多いように思います。
転職する
モチベーションを劇的にアップさせる方法としては転職はおすすめです。
現状に対して不満があるから転職する事を「逃げ」と考えてしまう人もいるかもしれませんが、モチベーションを下げる要因の多くは、ちょっと前でも説明した通り周辺環境による部分が大きいのです。
世の中には多くの会社が存在し、あなたに合う会社も必ずあります。
いま働いている会社が運命の会社ともいえるほどにマッチしている方が稀です。
むしろ、モチベーションが下がりまくりの状態を続けて一度限りの人生の貴重な時間を消費してしまうのは勿体無いと思います。
実際に転職しなくても、エージェントや転職サービスで自分の市場価値を再認識することをきっかけに、モチベーションアップにつながる場合もあります。
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まとめ
モチベーションを高める方法はひとそれぞれですが、個人的には「起業してカラダひとつで世界と戦う」というシチュエーションに強いモチベーションを感じます。
以前はそれ以外の方法でもモチベーションアップの効果があったのですが、長年、ゲーム業界で生きてくるとモチベーション維持に求めるハードルがどんどん高くなっていくのです。
でもゲーム業界人の独立ってあまり成功確率高くないんです。
ちょっとばかり話はそれてしまいますが、大手企業で成功したクリエイターが経営者としての能力を持っているかは、また別の話。
長年、見てきた感想としては、起業の成功確率を上げるには、そのクリエイターが気持ち良く開発に集中でき環境を用意できて、間違った方向に進んでしまわないように軌道修正してくれるビジネスサイドの右腕が必要だと強く感じます。